ふりかえり(3)「子どもの力」

期間中に3人が誕生日を迎えた。
そのうち2人のサプライズ・バースデーを行い、本人達を大いに喜ばすことが出来た。
合唱三銃士が中心となり、2回とも中学生達は全員で「翼をください」を唄って誕生日を祝った。
こういう時子ども達は友達を喜ばせるために一丸となる。
勉強が終わった直後の学舎の中で若者達の歌声が響き、15本のロウソクの灯火が輝いていた。

体調が悪くなり、以前いじめにあった事を思い出して苦しくなりかけた子がいたが、同じ部屋の仲間が優しくしてくれたお陰でへこたれずに済んだ。
誕生日のときに「楽しいなあ~、明日も誰かの誕生日ならいいのに」とその子が笑顔で私に言った。

3週間も一緒に暮らしていると生活面では予期せぬ出来事も起きた。
しかし、大人のスタッフが介入するよりも前に中学3年生達は自主的にミーティングを行った。
「このままではダメだからそれぞれが今思っていることを話そう」と集まり、一人一人が思いを話し、色々誤解しあっていたことに気がついた者同士が謝った。そして、明日から最後まで仲良くやろうと声をかけあった。

翌朝、本人達からその報告を聞いたが、自分達でなんとか解決しようとする姿勢に感心した。
経験上悪いことの予測をしがちな大人は、防止策を取るあまりついつい色んなことに介入してしまうが、子どもたちは自分達で解決する力も秘めている。それが活きる場面はなかなか少ないかもしれないし、今回はもの凄くラッキーにその力が出たのかもしれないが、これは紛れもない事実なのだ。
子どもの力を信じること、子どもの力を引き出すこと、これは大人たちみんなの課題だと思った。

帰りの船内で食中植物にとても詳しいO君から北海道で購入した「ムシトリスミレ」を見せてもらった。
購入した時には無かった新芽が真ん中に出てきてとても美しい。
こどもの力を再発見させられたことと新芽の美しさが重なり、清々しい朝だった。

むすびば以外の沢山の方達と一緒に実現できたこの企画が、参加した子ども達の力も合わせて大切な学舎となっていったことに深く感謝します。
放射能問題は今後も国民的な大きな課題ですが、私達は一人一人の出会いを大切にしながら、ひるむことなく未来を育んでいきたいと思います。
ありがとうございました。
2012.08.21

むすびば共同代表/みみをすますプロジェクト
みかみめぐる